職人育成への想い
現在の日本人は、職人と言われる人が高齢化してしまい、若い職人がいないのが現状です。それは日本の高度成長により、全ての人が豊かに成った時から体を使って働く人が少なくなってきたのです。
職人と言われる仕事は、外見から見たら凄く格好良く見え羨ましく見えますが、職人になれるまでは大変な修行なのです。
それでは職人と言われる人はどんな人を言うのでしょう。
職人と言えば頑固一徹の人間に感じます。そう見える人こそ奥深く極めた人なのです。
物を作る技術の奥深さに引き込まれ、心が自信の塊になっていくのでしょう。頑固な職人でも、職から離れたら穏やかで優しい人になります。こういう感じの人こそ、人には話せない苦労と努力をして来られた方なのです。
これから職人になるには、どういう心掛けが必要でしょう。
まず第一に、素直な心を持ち続けることでしょう。素直に聞き、素直に実行することです。
日本では武道、茶道、その他全ての教えに道があるように、職人になるにも道があるのです。礼儀で始まり礼儀で終わる。これは私たちの頃は親から自然に教えられたことです。ところが、社会の豊かさにより私たちは子ども達に教えなくなりました。
けれども社会に出たらそれが一番大切なことなのです。大手企業になればなるほど、礼儀作法は厳しいものです。礼儀は会社の顔になるからです。社会では心のあり方が大事だからです。
私の場合は、中学卒業と同時に15歳より大工の弟子に就き、4年間みっちり修行いたしました。20歳では一般の家を建てられるようになりました。その努力は貧しい田舎の家庭環境だったからです。少しでも早く両親を喜ばせたい一心で、どんなに修行が辛くても我慢するのは当たり前のことでした。
ところが現在では、弟子の制度ができなくなりました。それは日本の労働基準制度により、人を雇う時の最低賃金や労働時間が決められたからです。
東南アジアに行けば10歳代で素晴らしい技術を身につけている子ども達がいっぱいいます。日本でも岐阜県の森宏先生が教えておられる公認会計士に挑戦している子ども達は、中学・高校卒業の方が多いようですが、森先生は中学卒業からが一番覚えが良いと言われておられます。私も同じ様に思います。
学校の場合は高校・大学と、だいたい親が学ぶための学費は出してくれますが、職人を育てるには受け入れる会社の負担になっております。
現在は弟子制度がないので、最低賃金を支払って受け入れることになります。受け入れる側は最低でも保険等を入れたら一人の給料が20万円ほどは必要とします。
職人の道では、2年ぐらいは何もできなくても給料は支払います。会社経営は大変でしょう。せめて3年目ぐらいになれば、自分の分は稼げる様になるでしょうが、1年2年で辞められては会社は成り立ちません。こういう現状が全て、若い職人が育たない状況なのです。
現在、弊社では以上の説明をして、お互いに納得のうえ採用しています。
それでは、その厳しい修行を乗り越えたらどういう道が開けるのでしょう。
現在の住宅建築は、本格的な木造住宅が見かけなくなっております。
最近では、全て大手住宅メーカーに片寄ってしまい、メーカーではコストを抑えるためシステム化し、現場で組み立てるだけになりつつあります。職人の手がほとんど掛からないようにしてあります。かと言って、建築費は決して安くはありません。
こういう社会状況と職人の高齢化により、減少しているのが現在の状況でしょう。50年前までは、大工のお嫁さんには7回生まれ変わらなくてはなれないと言われた時代もあったのです。まさにこれからが、そういう貴重な職人の時代になっていくと想像しております。
若い技術者、職人を養成しております。いつでもご相談ください。
弊社の建築物は300年〜500年は残るような建築をしております。
また、人間としても語り継がれる人間になれるような勉強もしております。
毎日行う活力朝礼
全ての教えに道があるように、職人になるにも道があります。
礼儀で始まり礼儀で終わる。
社会に出たらそれが一番大切なことであり、礼儀は会社の顔になります。
弊社では倫理研究所発行のテキスト『職場の教養』を活用した朝礼を行っています。
人間力を高めるために
人間力の高い職人を育てるために。
私、黄檗が日々心がけていることを伝えています。